米粉カステラ誕生秘話

【第四話】理想と現実の間 〜ついに福井へ〜

銘店、東京自由が丘「蜂の家」で8年間修行を終えた私は福井に帰ります。18歳で上京したので実に14年ぶりです。   気がつけば、結婚して子供も3人、妻と一家5人の帰福です。   雇われを卒業して、「晴れて経営者の仲間入りができる。やっと自分の好きなお菓子が作れる!」と思ったのは束の間、待ち受けていたのは東京とは全く違う市場、そして菓子文化でした。   頼りにできるはずの父との間も、今まで会話すら交わしたことがないのですから当然うまくいくはずもありません。   自分のお給料は自分で稼がないといけないのに、どうすればいいのかわからず、ただ父の代役をするだけ…   生活があるので、お給料は両親から少し分けてもらうような形にしましたが、それでも修行時代の半分以下になっていました。   私たちが帰ってきて、安堵している両親をよそ目にどうしようもない不安に押しつぶされそうになり、帯状疱疹にまでなりました。   妻ともうまく行かずに、「もう東京に戻ろうか…」そんなことを考えるようになりました…
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